情報の入手

28日 静かな朝/子どもたちはのんびり起きた/DVDを観る/上空に米軍?のヘリが飛んでいた

12月27日の夜は津波が来た26日の夜よりもずっと怖い思いをしてしまったのですが、結局噂となっていた津波の再来もなく、無事に28日の朝を迎えることができました。目覚めてすぐにベランダに出てみると、パトンビーチの上空には朝から悲しいくらい素敵な青空が広がっていました。

いよいよ今日はプーケットを発ってシンガポールへ向かう日です。いつもは『まだ帰りたくない』という思いが強いのですが今回ばかりは『やっと出発できる!』という気持ちでいっぱいでした。大好きなプーケットから早く"逃げ出したい"と思うのは何とも悲しいことです。

シンガポールへ飛ぶシルクエアー758便は14時50分発予定だったので、ホテルを飛行機出発の3時間前、12時頃にチェックアウトをしようと思っていました。空港までのタクシーはプーケットに着いた日に品川さんに手配をお願いしていました。

テレビをつけると昨日よりもさらに津波による犠牲者の数が増え、今回の津波の規模の大きさを思い知らされました。またこの頃になると、NHKの『海外安全情報』で海外在留邦人向けに次のことが繰り返し放送されていました。

  1. 今後の情報に充分注意をする
  2. 航空機の予約の確認をする
  3. 日本の家族に安否を連絡する

携帯電話を持っていた私たちは26日のうちに日本の家族に連絡はしていましたが、1の"今後の情報に注意"といわれても私たちが得られる情報は極端に少なく、情報源はテレビか英字新聞しかありませんでした。

NHKの海外向け放送は決った時間にニュースを流すものの、相変わらず私たちが"知りたい情報"ではなく、のんきな歌番組やドキュメンタリー番組を放送していました。

これはどこかで聞いた話にしか過ぎませんが、26日地震発生後、日本では"スマトラ島沖で地震発生"という速報が流れたそうですね。この時に海外向け放送で『スマトラ沖で地震が発生したので海岸付近の滞在者は念のために津波に注意してください』とのニュースが流されたならば、もしかしたら助かった人もいるかもしれません。タイでは地震発生後、津波が襲ってくるまで2時間もの時間があったのです。"遠い国の津波なんて予測できない"といわれればそれまでですが、もし注意だけでも出されていたら…そう思うと釈然としない気持ちになります。

またプーケットタウンでは日本大使館が緊急の連絡所を設け日本人の安否確認をしたり、軍の輸送機が無料でバンコクまで運んでくれたらしいのですが、私はこれらの情報を日本に帰ってくるまで一度も耳にすることはありませんでした。

私たちはパスポートも航空券も持っていたし、帰りの飛行機の心配もなかったので、積極的にそういった情報を入手していなかったせいもあるでしょう。でもこんな時にこそメディアが『日本人の方は…へ連絡してください』などという情報を海外で困っている日本人に対して流してもよかったのではないでしょうか?

朝食 (のぶを記)

プールサイドのレストラン前/中庭には遺留品があった/Mさんと下のお子さん

朝食をとるために中庭に降りました。プールサイドでは被災時にたくさんの人が荷物を洗って乾かしたりしていて、中には持ち主不明の荷物もあってそのまま放置されているものもありました。右の写真2番目は、子どもの…と通帳のようでした。

レストランへ行くとMさんがいらっしゃいました。すでに朝食は済んでいらしたようでしたが、私たちが家族で降りてくるとお子さまふたりを連れて来てくださいました。子どもたちはあっという間に仲良くなって、プールの周りで遊びはじめました。その間にMさんといろいろと話をすることができました。

旅行中に仕立て注文していた奥さまのスカートがホテルに届けられるはずだったのに、いっこうに届けられないので仕立屋さんへ直接行ったところ、店主とその家族を残して従業員が全員夜逃げをしてしまっていたそうです。また避難するときにホテルのスタッフが従業員用の通路を自分たちだけで利用して、宿泊客に利用させなかったことに後から抗議したところ、申し訳ないと謝罪されたということでした。そして家族が離ればなれになってしまったときのことを話しているときに、Mさんの目は赤くなっていました。

ただ、それでもMさんはユリと同じくタイが大好きで、これまでにも何度も旅行されているとのことで、今回に懲りずに?またすぐに来たいとおっしゃっていました。私個人にとってはたいへんなプーケット旅行になってしまい、その良さのすべてを享受できずに終わってしまったと思うのですが、人を虜にして止まない魅力があることは多少なりとも理解できたつもりです。"もう二度と来たくない"という人も少なくありませんでした(下の子:サクラがそのひとりです)が私自身はそれほどでもなく、また行ってみたいと思います。

<< back  |  next >>


ページの先頭へもどる

Copyright 2002-2005, Yuri all rights reserved.